セールス・イネーブルメントという視点

日本語の「営業」という仕事は、英語でいう「Sales(セールス)」よりも幅広い仕事が含まれていると考えています。営業とはモノやサービスを売る仕事といわれますが、実際その職に就くと、市場を創る仕事や販売チャネルを整備する仕事、そして、売るための商品企画や既存顧客をサポートする仕事など様々な仕事が含まれていることがよくあり、企業によってその仕事の幅が全く異なります。

セールス・イネーブルメント

一端の営業マンを育成するのに何年くらいかかるでしょうか。一人前になる前に離脱して、他部署へ異動希望を出されたり、他社へ転職してしまうケースが多いのではないでしょうか。当社では、売るという仕事にかかわる全てのことができる熟練工のような「営業マン」を育成するという発想ではなく、マーケティング領域の仕事とセールス領域の仕事をしっかりと分離して、販売技術に特化した「セールスマン」を育成しましょう、という発想です。


上の図は、市場戦略をもとにして、「セールスの実効性能(=Enablement)」を担保するために必要な要素を5つに分解したものです。

他部門からの協力を得て、
1. 採用
2. 武器
を必要十分に保有しながら、セールス部門として、
3. コーチング
4. トレーニング
5. 測定と解析
のプロセスを循環させることになります。

1. 採用

顧客への商品導入時に、コンサルティングが必要な「提案型商品」のか、それとも、シンプルなニーズマッチングで導入が決まる「コモディティ商品(買回り品)」なのかで、後工程のコーチングやトレーニングの工数が変わってきます。スキルや教育工数、販促費など階級に応じた一人あたりのセールスコストを定義しておくべきです。

2. 武器(営業ツール)

商品コンテンツや販促ITツールなどがこれにあたります。マーケティング部門による販売テストや一連のセールスプロセス査定をもって、循環的にブラッシュアップしていくもので、いかに効率的・効果的に顧客へ商品情報を届けるか?のコンテンツ・マーケティング思考が重要になります。

3. コーチング

販売テストや日々の成功失敗事例をもとに、ケーススタディをセールス各員へフィードバックしていくことになります。ひと昔前と違って、スマートフォン一つあれば、ドキュメントや動画を簡単に社内ブログとして配信できる時代ですから、ITツールを使って、こまめにノウハウを共有すべきです。

4. トレーニング

日々の業務、案件単位などセールスプロセスを一つ一つ超えていくための現場での訓練です。センスももちろんありますが、セールスは「技術」ですので、技術を習得していくために、セールスプロセスを丁寧に分解したうえで、技術レベルを数値化して「自己管理」ができるようにすべきです。

5. 測定と解析

セールス成果の測定(査定)です。最初は単純な割り算の生産性指標だけでかまいませんが、セールスプロセスごとに数値化して循環させていくと、なにが成果との因果関係が強いのかがわかってきます。少し手間はかかりますが、EXCEL一つで重回帰分析ができますので、「KPI」を定義して目標設定した仮説の進捗度合いをウォッチします。

ここまでできたら、総まとめして、ケーススタディとしてまたコーチングして、とスパイラルアップさせていくことになります。