経営戦略立案の手順

経営戦略立案の手順について解説をいたしますが、よくいう「ビジネスモデル」とは、イコール、「経営戦略のあり方」です。
よく目にするのですが、戦略と戦術がごちゃ混ぜに議論されたり、ドキュメントになっていたりします。

経営戦略を考えるのも上位のものから考える「正しい手順」というものが存在します。

上の図は、戦略ピラミッドといって、経営戦略を考える手順をあらわしています。よくあるのが戦略面の話をしているのか、戦術面の話をしているのか、論点が定まらず、よくわからない会議です。「戦略的に考えろ」とサービスや技術レベルの会議で言われも、論点がちんぷんかんぷんで、議論のベクトルが定まらず、結果的に「なにも決まらない会議」というのが、よくありますよね?

そりゃそうです。戦略が決まってないのに戦術レベルの話をしても、議論集約の幅が定まっていないのであれば、みんな好き放題に話を拡散させてしまいます。

では、本題の経営戦略を立案していくための手順についてです。
戦略ピラミッドは、戦略の大家といわれる色んな先生方の考え方を経営戦略の立案に置き換えて、作り直したものです。

経営戦略立案には大きく分けて、「戦略面」のテーマと「戦術面」の二つのテーマがあります。まず「戦略面」ですが、これには5つの手順があります。
そのうち、ビジョン、ミッション、バリューについてお話します。
※「いやいや、ミッション>ビジョン>バリューの順番だろ!」と仰る方がいるので、それについては別項で触れます。

1. ビジョン

「自社を中心」に置いて、どういう世の中を創り出したいのか?
これはキレイ事の建前ではなく、どこまでも自己中心的にしたいことを絞り出していただきます。

2. ミッション

日本語訳すると「使命」といった義務的な言葉になりますが、言い換えると、
「事業目的」であります。ビジョンで定義した世界は、一体なんのために創り出すのか、その目的についてまとめていきます。

3. バリュー

目的達成させるために、大事にすべき「価値観」を定義するものです。その事業にとって「なにが価値なのか?」を定義することになりますので、抽象的な用語であっても、より具体的に解説して、見る人に解釈の誤解が無いようにすべきです。

続いて、「商売の幹」にあたる大変重要な部分です。

4. 経営基本方針

M.V.Vを実現する事業ドメインとそのための制度や行動指針を定義することです。ビジネスモデルの根幹を握るパートですので、余分な要素を極力排除しながら、事業戦略の羅針盤とする必要がありますので、丁寧に定義していただきます。

5. 事業戦略

戦略面の山場です。
ステークホルダーとの付き合い方をどうするか?を定義したうえで、それをうまくコントロールしていくためには、どう経営資源を調達し、配分しなければならないか?また、新たに研究開発に投資するか?を決めるものです。

※経営資源とは?
人材、原料、設備、エネルギー、情報の5つの要素。
資金がなくては事業を始められないので、それは大前提とします。
事業をおこなうために必要な第一義的に調達しなければならない資源には、5つの要素があ、これらを組み合わせて、新たな付加価値として、顧客資産をうみ出すことになります。

次に、「戦術面」です。これにも5つの手順があります。戦略面は主に役員会レベルのテーマですが、この戦術面は、役員によって決定された戦略に基づいて、さらにそれをブレイクダウンして、業務執行を担う現場レベルで決定、遂行していくものになります。

6. マーケティング戦略

どの産業や市場で、どう販路を築き、どのようにして顧客を獲得して、モノやサービスを提供するのか?
がそのテーマです。自社が攻略する市場を自社の戦いやすいフィールドに、いかに変えていくか?を定義することになります。

7. プロジェクトゴール

マーケティング戦略に基づいて、自社のバリューチェーンのライン別にプロジェクトゴールを設定します。市場攻略目標を達成するために、具体的に5W2Hレベルでプロジェクト工程表を作成します。

8. マネジメント

ゴール設定に基づいて、タスクレベルの小工程を組み立てて、予実管理をしていきます。より具体的に、だれが、いつまでに、なにを行うのか、の方法論をまとめます。

9. 科学技術・ツール・コンテンツ

タスクをより効率的に実行し、一定の生産性を維持し、向上させるためには、ツール類や技術の組み入れや習得、標準化されたマニュアルが必要になります。実行工程の品質を担保するためのミドルオフィス的な役割です。

10. タスク実行

ここまできたら、残る最後は、ただひたすらに目標にむかって、徹底的に、迅速に行動あるのみです。
(シングルタスクが理想)

以上が経営戦略立案の際の手順です。
これらを「一気通貫」で定義するのは、かなり骨の折れる仕事ですが、この計画は「羅針盤」ですので、しっかり作られていないと、経営環境が変化するたびに、迷路に入ってしまうことになります。